連日の真夏日、外に出るのも嫌なのに自転車に乗るなんてもってのほか!という人、多いのではないでしょうか?そんな人にもお勧め、この夏は涼しく「自転車」を楽しんでみませんか?自転車をテーマにして作られた映画は意外とたくさんあります。今回はその中から3作を紹介します。涼しい部屋の中で映画を見て「自転車」に親しむのもまた一興ではないでしょうか?

「茄子アンダルシアの夏」

(2003年作品 監督・脚本:高坂希太郎 原作:黒田硫黄「アンダルシアの夏」)
この夏公開作品「茄子アンダルシアの夏」では、みなさんご存知のとおり、「自転車レース」が大きなテーマとして扱われています。主人公ペペは、世界三大自転車レースのひとつ「ブエルタ・ア・エスパーニャ」(他の2つは、「ジロ・デ・イタリア」と「ツール・ド・フランス」)に出場するレーサー。ブエルタ・ア・エスパーニャはステージレースといわれるタイプの自転車のロードレース。ステージレースでは数日間に及ぶレースの、日々のゴールタイムを換算し、もっとも合計タイムの少ない選手が最終的に勝利します。主人公ペペは、そのレースの期間中にスポンサーから契約解除の通達を受けたり、かつての恋人の結婚式があったりと人生に関わるいろいろな事件を体験します。ただペダルをこぐ、こぎ続けるという単調にも思える動きの中で、さまざまな人間模様が錯綜する映画です。

「自転車泥棒」

(1948年作品 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ)
1948 年イタリアで制作された1本。長く失業していた主人公アントニオはやっとのことで仕事につくが、仕事に使う自転車を盗まれてしまいます。街の人の協力も得て自転車を探しますが見つかりません。途方にくれたアントニオは、幼い息子の目の前で自転車を盗んでしまいます。盗んだことがばれ、息子の目の前で罵倒される父親アントニオの姿を通して、第2次世界大戦後のイタリアの社会問題が描かれています。
第二次世界大戦後間もなくしてイタリアに起こった「ネオ・リアリズモ運動」を代表するものとしても名高い作品です。

「自転車吐息」

(1999年 監督・脚本・主演:園子温)
新聞配達をしながら浪人生活をする主人公と友人。受験勉強そっちのけで8ミリに夢中になったり、浪人というプレッシャーに押しつぶされそうになったり。そんな彼らのもとに、主人公の元恋人があらわれ、複雑な人間模様が展開される。監督による主演はもちろん、家族まで総動員して撮りあげたという自主映画だが、その完成度は高く、世界各国の映画祭で絶賛されました。
ちなみに監督・脚本・主演の3役を兼ねる園子温は詩人としても有名、最近の話題作としては映画「自殺サークル」。
どの作品も、自転車を通してさまざまな人間模様が描かれ、見終わった後には自分の人生を考えさせられるような作品です。夏バテ気味のそこのあなた、自転車映画を見て、涼しくも濃厚な「自転車体験」をしてみてはいかがでしょうか?
(松田麻希 総合政策学部3年)
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茄子アンダルシアの夏(公式)
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