アフィリエイトとは SFC CLIP 編集委員 船木信宏
■ アフィリエイトとは
今、Googleで「アフィリエイト」と検索すると366000件もヒットする。アフィリエイトとは自分のWebサイト(以下サイト)に広告を載せて金をもらおう、という仕組みである。
手軽な小遣い稼ぎとして書籍も書かれ始め、現在注目されている。平均的な収入額はデータがないのでわからないが、筆者が聞いたことのあるのは、かなり頑張って月数万円という額である。
■ バナー広告との違い
バナー広告はその課金の仕組みの多くが、表示回数に応じて金額が決まるものや、クリック数によって金額が上下するものだ。
それとは違い、アフィリエイトの多くは成功報酬型である。まず、自分のサイトにAmazonや楽天などの製品情報を載せる。その説明文なり写真なりをサイ
トに訪れたユーザがクリックしてアクセスした先のサイト上で製品を購入する。すると、紹介料として売上の5%程度が製品情報を載せたサイト、つまり自分に還元される。
■ 月10000円稼ぐことの大変さ
ところが、小遣い稼ぎといっても、そう簡単に稼げるものではない。仮に売上の5%が自分の収入となるとして、月1万円稼ぐにはその20倍、20万円分の商品を自分のサイトからアクセスして購入してもらわなければならないのだ。例えば、Amazonのアフィリエイトで本を買ってもらうとしたら月100冊以上売らなければならない。
とあるデータによれば、訪問者数の0.7%が購入するそうだ。それに従えば100冊売るにはその約150倍、月1万5000人が自分のサイトにアクセスする必要がある。1日500人がコンスタントにアクセスする、となるとこれはなかなか個人の集客力では難しい。
■ ブログとの融合
現状を見てみると、アフィリエイトの広告はブログに置かれていることが多いようだ。Amazonの本を自分で読んでそのレビューを書いて、そこに広告も置いておくというのは自然の流れだ。訪れるユーザにとっても、サイトの内容と関係の深い製品の広告なら「鬱陶しい広告」から「有益な情報」に変わる可能性がある。
ただ、アフィリエイトを設置することは現状ではそれほど簡単ではない。HTML等の知識がないとできないので、比較的ITリテラシーの高い層に支持されているブログを使っている人がアフィリエイトも設置しているのが現状と言えよう。
■ 今後の展望
アフィリエイトで少なからず稼げるという背景には、インターネットで物を買う文化が育ってきている、ということがある。Eコマースの市場規模はは2002年で2兆6,850億円、2004年においては6兆7,200億円まで成長すると予測されている。
ブログとの融合も進んでおり、今後ブログサービスを提供している側がアフィリエイトの設置を支援してくれるようなサービスも出ててくれば、よりアフィリエイトが身近な物となる。ただ、自分が儲かるようになるかは、自分が他のサイトのアフィリエイトでどの程度購入するかどうかだろう。多くの人がたくさん購入するようになるなら、その分自分自身も儲かるようになるはずだ。
今後ウェブにおいては、テレビと同様のマス向けの広告ではなく個々のユーザがレビューやお勧め、という形で発信する情報が広告の中心になると予想される。
■ 参考サイト
- Passion For The Future: 書籍のレビューと連携
- eNatural.org: Google Adsを導入している例
- NTT Com、Amazon.co.jp との連係機能などを備えた「ブログ人」を開始
- paperboy&co.、ブログサービス「JUGEM」に「Amazon Webサービス」導入
- livedoor Blog、Amazon.co.jp の商品リストが表示できるサービスを追加
- EC市場規模の予測: ECOM Newsletter No.21
- EC市場
- 2008年までのIT主要分野の市場規模とトレンドを展望
- アフィリエイト、理想と現実(あるいは「いかにして余はアフィリエイターになりしか」)
- Amazonアソシエイト・プログラム
- アフィリエイト・エッセンス
- Google AdSense
- 楽天アフィリエイト