森田正彦さん(政・メ)が今年4月にフランスのラバル市で開かれたヴァーチャルリアリティ関連イベント「Laval Virtual 2006」でグランプリ「Laval Virtual Grand Prix du Jury」、部門賞「Trophees Sciences et Education」の2賞を受賞した。受賞作品は森田さんの所属する小檜山賢二研究室でおよそ10年かけて開発されてきた『Micro Archiving』。肉眼では見えないミクロの世界を、高解像度のデジタル3Dモデルに変換する技術である。


 受賞を知った森田さんは、「2年ほど前から胸を張ってお見せできる作品ができるようになりました。今回、国際的な賞をいただきましたので、より多くの人に見ていただけるようウェブサイト(http://wem.sfc.keio.ac.jp/map/)を充実させるなど、作品の公開にさらに力をいれようと考えています」と満足げに語った。
 また、小檜山先生の反応については、「もちろん先生は喜ばれていました。このプロジェクトは、もともと先生がSFCにいらっしゃる前から個人的に始められていたものです。そして先生がSFCでこのプロジェクトを始められてから、私が関わるまでにも多くの院生、学生が参加して『Micro Archiving』は進化してきました。今回の受賞はその10年目の集大成です」とコメントした。
 最後に、『Micro Archiving』プロジェクトのこれからを聞いた。「実は今回、受賞するとは思わず、ラバル市での受賞式に出席しないで帰ってしまったんです。企業の方と話す機会を逃してしまったかもしれないなぁ、と少し後悔しています。ただ、今回の受賞はこのプロジェクトにとって確実にプラスのアピール材料になりますから、今後に期待していこうと思います。また、質感の再現など、よりリアルな表現をより早く実現することを目指して研究を続けます。」