12月も終わりに近づき、2012年3月卒業予定の学部4年生の卒プロも佳境に差し掛かっている。所属する研究会によってまったく色の違うものになるのが卒プロの特徴。今回、CLIP編集部は卒プロの一環として個展(TIQ展)を開催する、山中俊治研究会の荒巻悠さん(環4)にお話を伺った。

展示名は「TIQ」展

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TIQにはそれぞれのアルファベットに込められた意味があります。TIQを横にして見てみると、それぞれ「変化(→)」「比較(⇔)」「接続(Q)」をあらわす矢印になります。これらのテーマを元に個展の内容を考えていきます。

おもむくままに作ったものをひとつなぎのものにしたくて

(無題)

これまでSFCでは「気になるもの」をおもむくままに作ってきました。今回、卒プロに取り組むにあたって、そうやって作ってきたものをひとくくりにして、共通項を見いだしたいという気持ちが強くなったのです。
 そこで「ひとつなぎのものに仕上げる」ために個展を開催することを決めました。人に見せるモノをつくり、知らない人に見てもらうというモノを作ることは、完成度の高さを追求しなければならない! という強い意識にもつながりましたね。
 まわりの人たちが気づかせてくれることも多く、個展開催を通して自分が動いていることを実感することもあります。

カタチを疑うことからはじめました

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このTIQ展の根底には「私たちがそのモノをモノとして認識している要素ってなんだろう?」という疑問があります。そのモノに内在する「モノらしさ」を身体感覚で体験できるような作品を仕上げていきたいと考えています。日常の中にひそむ様々な「モノらしさ」を抽出して目に見えるカタチで触れるようにする展示にしたいですね。
 コンセプトは「生物らしさ」「動いていなくても動いているように見える」「どのように動くのか予想できる」などちょっと不思議なものになっています。

不思議な気持ちをもって帰ってもらいたいです!

いち学生が考えていることの中から、どのようなことを感じてもらえるか分かりませんが、少しでも来てくれた方の頭に残るものがあれば嬉しいです。作品を作るという創作的側面と、個展のマネジメントという実務的側面のすりあわせをしつつ、来てくれた方がどのように反応してくれるか楽しみにしています。少し怖くもありますが……。
 ぜひTIQ展に足を運んでみてください、不思議な気持ちを持ち帰ってもらいたいと思います。
荒牧悠のTIQ展|2011.1.7-12
会場:UPSTAIRS GALLERY
Twitter:@TIQten