2015年から活動が始まり、今年で4年目を迎える「SBC (Student Build Campus)」。今年度からは、授業シラバスにパースペクティブとして追加され、SFC生との結びつきの高まりがますます予想される。そんな「SBC」の"今"と"これから"を知るべく、SFC CLIP編集部ではSBC合同研究会に所属経験のあるお二方にインタビューを行った。

SBCはどんな活動?

インタビューに答えていただいた、環境情報学部3年の武田 海さん(左)と宮田 美卯さん(右) インタビューに答えていただいた、環境情報学部3年の武田 海さん(左)と宮田 美卯さん(右)

—— 新入生などSBCに馴染みのない学生もいると思うので、簡単に説明していただいてもいいですか?

武田さん

「SBC (Student Build Campus)」は、「未完のキャンパス」をコンセプトに、学生、教職員、卒業生が協働して、自分たちのキャンパスを自分たちでつくっていこうというプロジェクトです。

「つくる」と聞くと、建築などのハード面を想像しがちですが、滞在棟をどう使うかなどのソフト面の充実にも取り組んでいます。具体的には、「SBC入門」「SBC実践」などの授業、SBC合同研究会というコミュニティ、EAST地区の滞在棟の活用方法ですね。それぞれが、SBCという場を利用することで、自分の専門をキャンパスで実践しながら、キャンパスをつくる活動を行っています。

—— ソフト面でも活動しているのは知りませんでした。

宮田さん

SBCという言葉が一人歩きしてしまって、「滞在棟作っているプロジェクトでしょ?」とよく聞かれますが、もともとは未来創造塾という、慶應義塾創立150周年記念事業が前身にあります。これは福沢諭吉先生が適塾で実践されていた、共に生活しながらの半学半教、現在でいうところの滞在型教育を行う環境を整備しようという計画でした。その流れをくみ、SBCでは滞在型教育のためのハード・ソフト両面について学生が考えて活動しています。

武田さん

僕が思うSBCというのは、みんなでつくっていくものだと思っています。建物もそうだし、デザインもそうだし、運営や使い方だって自分たちで考えていいと思っています。しかし、建物の環境整備に目がいってしまい、「建物のこと」という印象が強くなっている現状があります。

僕だけの考えにはなりますが、そもそもSBCというものは、団体とか、建物の名前ではなくて、プロジェクトの名前です。だからこそ、慶應生であれば誰でも参加できるし、すべき活動だと思っています。

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ソフトの面にも力を入れていくと話す ソフトの面にも力を入れていくと話す

—— 現在進行中のプロジェクトについて教えていただいてもいいですか?

宮田さん

2018年に滞在棟2が完成し、大きなプロジェクトは一通り落ち着いた感じです。次のプロジェクトとしては、17年度入学くらいまでの方なら記憶にあると思うのですが、諭吉像の前にあったSBCセンターを2019年の夏を目安にEAST街区に移設して再利用するというプロジェクトがあります。滞在棟の建設の際には人手不足などもあり、ソフト面まで手が回らなかったこともあり、SBCセンターについては学生から広く活用方法を募るなど、ソフト面にも力を入れたプロジェクトとなるように、計画している最中です。

武田さん

パースペクティブに登録されるにあたって、どうしてもSBC合同研究会と大学とのやりとりが増え、事務作業に近いことも多くなってしまいました。プロジェクトも慎重な考えが多くなってしまったように感じます。そうではなく、新規に履修を考えている方々には、既存のプロジェクトに参加するという考えもいいですが、「新しいプロジェクトを立ち上げたい!」みたいな考え方で来てもらって全然いいと思います。

—— 研究会だから既存のプロジェクトに参加しろということでは全くないんですね。

武田さん

さっき「慶應生であれば誰でも参加して欲しいし、すべきプロジェクトだ」と言いましたが、SBCは自分たちで大学のキャンパスをつくる、他に例を見ない、スゴい取り組みなんですよね。キャンパス内に普通設置されるプレート一つとっても学生から発案者を募っていたり、1人ひとりのアイデアが大学の一部になりうるんですよ。特に1年生なんか4年までいれば絶対にアイデアが実際の形になると思いますし、それを実現できる環境があるんですね。さらによっぽど変なものでないかぎり、今まで真剣に議論してきたんですよ。だから、面白いものをつくりたいとか、世界中にないものをSFCに置きたいとか、自分でやりたいものをぜひ持ってきてもらいたいです。言ってしまえば、環境を活かすという意味では、SBC合同研に入る必要もないので、SBCのコンタクト宛にメールやDMで企画を持ち込むくらいのスタートの仕方で全然構わないと思っています。

気軽にアイデアを持ち込んで欲しいと話す 気軽にアイデアを持ち込んで欲しいと話す

宮田さん

プロジェクトの性質上、キャンパスの様々な人と繋がったり、卒業生の方とともに活動する機会もあります。だから、人との関係を生かした活動をしたいという人も参加して、SBCというプロジェクトを活用してもらうことで、活動が実現するんじゃないかと、そんな形の協力もできるんじゃないかなと考えています。

武田さん
気軽にアイデアを持ち込んで欲しいということに関連した話なのですが、この度、総合政策学のコーカスに「#SBCをもう一度」というチームで立候補させていただいています。SFCで何か形になることに挑戦したいという、フレッシュで元気な1年生のご意見やご協力をお待ちしています。詳しくは、ツイッターアカウントをご覧ください。また、質問など、DM等でご連絡いただければ答えますので、お気軽にご連絡ください。

—— ありがとうございました。

単なる環境整備のプロジェクトから、学生の経験を育む基盤と進化を遂げようとしてしている「SBC」。上級生はもちろん、今年度入学し、SFCで実現したいプロジェクトを持っている学生は、ぜひ1度プロジェクトやそれを支える団体にコンタクトを取ってみてはいかがだろうか?

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