SFCでの新生活を始めるにあたって、電車通学をする予定の人も多いと思う。今回は埼玉県に住むSFC生が長時間通学の実情について紹介していく。春からの新しい生活にぜひ役立ててほしい。

県外からの通学ってどんな感じ?

箱根へ行く観光客も多い、新宿駅の小田急線ホーム 箱根へ行く観光客も多い、新宿駅の小田急線ホーム

SFCに通う大学生で神奈川県外から通学するという人は少なくない。東京都から通う人もいれば、千葉県や埼玉県から通う人もいる。しかしSFCが遠いという理由から、近隣で独り暮らしや寮生活を始める人も多い。今回は遠方から通学することを選んだ私が、長時間通学の特徴と、なぜ県外通学を選んだかについてお伝えしようと思う。

とにかく時間がかかる!

まずは長時間通学の特徴について述べていこう。

私は埼玉県にある実家からSFCに通って1年になる。最寄駅の志木駅から東武東上線で池袋駅へ、池袋駅から山手線で新宿駅へ、そこから小田急線で湘南台駅へと向かう。電車に乗っている時間は約1時間40分で、湘南台駅からSFCまではバスで20分ほど。通学にかかる時間は徒歩やバスに並ぶ時間も含めて約2時間30分だ。なんと往復では5時間となる。辺境の地であるSFCへの通学は、もう小旅行のようなものだ。

人混みによるフラストレーション

池袋駅山手線の改札 池袋駅山手線の改札

都内の電車を使用するということは、もちろん満員電車に乗ることもある。JR新宿駅では人混みの中を歩いて小田急線に乗り換えなければいけない。1日に2回、そして毎日このような体験をすることは、想像よりもずっとストレスがたまる。電車の遅延に巻き込まれた日はさらに通学時間が伸びることも。

また、湘南台駅から出発するSFC行きのバスを利用するには長蛇の列に並ぶ必要がある。もっともこれは新学期のはじめだけで、学期中盤にはスムーズな利用ができる。しかし、雨の日には要注意! 普段自転車や徒歩で通っているSFC生が大量に流れ込んでくるのだ。バスの中はもうパンパンである。

遅くまで残れない!

朝が早いことはもちろん、夜に食事会などがあっても遅くまで残ることはできない。終電を逃す危険があるからだ。SFCに宿泊する場合もある。SFCには課題などをするためSFCに泊まることができる「残留制度」があるのだ。また、所属する研究会によっては研究室に泊まらせてくれることもある。そうでなくとも、安価で宿泊でき温泉を楽しめる湘南台温泉の「らく」を利用したり、友達の家に泊まって朝まで遊んだりすることもできるだろう。

しかし、休日に集会や遊びのお誘いがあっても大抵場所は湘南台になるため、気が引けてしまうこともある。

じゃあなんで県外通学してるの?

このような多数の障害があっても、結果的に県外通学を続けているのには理由がある。私の普段の過ごし方を紹介しながら説明していこう。

交通の利便性が良い!

乗り継ぎをするということは、裏を返せばたくさんの駅に立ち寄れるということだ。特に山手線沿線では、池袋・新宿・渋谷・新大久保など、大きな駅で降りて気軽にふらっと楽しむことができる。自分の生活範囲が広がるほど楽しみ方は増えていくだろう。というのも、SFC近辺は大型施設が少なく、利便性に欠ける面があるからだ。都内でバイトをするにも最適だ。また就職活動をするとき、湘南台に住むよりも都内に近い方が良いという場合もある。

私が埼玉県から通っているのには、埼玉からSFCに行くことができるルートが複数あるという理由が大きい。関東圏外から通うSFC生の実家通いは相当難しいが、近くの県や東京都に住んでいると、もしかしたら実家通いの方が交通の便が良いかもしれない。

移動中の時間を有効活用!

朝、新宿駅で買い物をする 朝、新宿駅で買い物をする

長時間の移動中何をするか。人によってさまざまだが、私は自宅で予めダウンロードした映画を観ることをおすすめしている。映画を観るだけではなく、好きな本を読んだり、iPadで絵を描いたり、ゆっくり音楽に浸ったり、小田急線から見える富士山を楽しんだりすることもできる。

「移動にそんな時間をかけるなんてもったいない!」と考える人もいるかもしれない。しかし、実際は毎日決まった時間に通学することで、朝のリズムが整って自然に早起きの習慣が身についたり、大学生活にメリハリをつけたりすることができている。朝7時から趣味などの活動するのと、1限前ギリギリで起きて9時からいきなり講義を受けるのとでは、むしろ長距離通学の方が時間を有効活用できていると私は思う。

もちろん満員電車はつらいが、人混みの中で自分の空間を持てるようにすれば通学時間は豊かになる。私の場合、新宿駅から湘南台駅に向かう小田急線が始発のため1時間ゆっくり座って過ごすことができていることが大きい。

実家通いのメリット

実家で過ごすということは、精神的余裕と金銭的余裕が生まれるということだ。夜はしっかり休養をとることができるし、休日は自分の好きなことをしやすく、家族との時間をとることもできる。場合にもよるが、独り暮らしにかかる費用に比べると、交通費はあっても実家通いの方が費用がかからない。

そして、家事を家族で分担できるということは、精神的にも体力的にも余裕を生んでくれる。春は不動産屋が混んだり、新歓期間で忙しかったりするので、いずれ独り暮らしをするにしろSFCに入ったばかりの頃はできることなら実家通いをおすすめしたい。

向いている人と向いていない人

当然のことながら、SFCで何をしたいかによって生活スタイルは変わる。そこで、私のような長時間通学や電車通学に向いている人・向いていない人を考えた。

向いている人

SFCが無理なく通える範囲であり、都心や三田に近い場所に住んでいる人。電車でできる趣味を持っている人。独り暮らしに家事や経済面で不安がある人。朝から活動したい人。

向いていない人

体育会系など部活動やサークルをがっつりやりたい人。早起きが苦手な人。

遠いからSFCに行かなくなってしまう、という例もあるので、不安な人は大学の近くに住む方が通学を継続できるかもしれない。しかし、独り暮らしを始めた結果、生活リズムが不規則になり授業に行かなくなってしまうということもある。近くに住むから大丈夫と安易に考えない方が良いかもしれない。

おわりに

湘南台駅前を走るバス 湘南台駅前を走るバス

これまで県外通学のメリット・デメリットを紹介してきた。私は交通時間が長いからこそSFCでの時間を大切にしようという心理が働き、大学での時間が濃密になるような気がしている。自分の時間と授業の時間、友達や家族との時間というように大学生活にメリハリがついて、自分がしたいことを見失わず一年間過ごせたと思う。今では電車に乗っている間に自分の時間を持つことで、通学時間を楽しみにもしている節もある。

長時間通学が必ずしも悪いというわけではないのだ。新入生の皆さんはぜひ自分に合った通学方法を見つけてほしい。

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