27日(土)、明治神宮球場にて東京六大学野球春季リーグ最終週・早慶戦第1試合が行われた。第1試合は早稲田大学(以下、早稲田)にW5-8Kで勝利。あすも義塾が勝利した場合、暫定1位の立教大学に勝ち点で並び、勝率で上回るため、義塾の優勝が決まる。

義塾 早稲田
位置 選手名 学部学年 打順 位置 選手名 学年
天野康大 環4 1 八木健太郎 4
瀬尾翼 理4 2 檜村篤史 2
柳町達 商2 3 佐藤晋甫 4
岩見雅紀 総4 4 加藤雅樹 2
郡司裕也 環2 5 宇都口滉 4
清水翔太 総4 6 長谷川寛 4
倉田直幸 法4 7 岸本朋也 3
照屋塁 環4 8 織原葵 4
髙橋佑樹 環2 9 小島和哉 3
1 2 3 4 5 6 7 8 9
早稲田 0 0 0 0 0 0 5 0 0 5
義塾 0 0 0 0 0 4 4 0 x 8

負けられない初戦 両エース激突

髙橋佑樹投手(環2)は前エース加藤拓也(現広島東洋カープ)が抜けた穴を埋めるべく、先発として試合をつくり、救援登坂では未だ無失点と投手陣をマルチに支えている。今シーズンの防御率も2.51と抜群の安定感を誇り、闘志あふれる投球と伝家の宝刀スライダーを武器に打者を制圧する。

気迫のこもった投球で早稲田打線を抑える義塾先発高橋佑投手 気迫のこもった投球で早稲田打線を抑える義塾先発高橋佑投手

小島和哉投手は早稲田が誇るエースであり、六大学野球通算13勝は現役最多だ。速さこそないがキレのある直球と打者の外へ逃げる変化球が持ち味である。開幕前の怪我の影響もあってか今シーズンは若干不調だが、義塾の優勝を阻止するため、復活を期してマウンドに上がる。

精密なコントロールで凡打の山を築く早稲田先発小島投手 精密なコントロールで凡打の山を築く早稲田先発小島投手

両投手ともに好調な立ち上がり 両者均衡が続く

注目の立ち上がり、高橋佑投手が三者凡退に抑えると、負けじと早稲田の先発小島投手も三者凡退に抑える。2回裏、義塾の攻撃で、5番郡司裕也選手(環2)がフォアボールで出塁、盗塁を成功させてチャンスを広げるも、6番清水翔太選手(総4)が遊ゴロ、7番倉田直幸選手(法4)がセンターフライで3アウト。得点には繋がらず、互いにゼロ行進が続く投手戦の様相を見せる。

5回二死一二塁のピンチをしのぐ義塾高橋佑投手 5回二死一二塁のピンチをしのぐ義塾高橋佑投手

5回表、早稲田の5番宇都口選手に今試合初ヒットとなるレフト前ヒットを打たれ、その後盗塁により2塁まで進まれる。勢いを止めたい義塾だが、7番岸本選手にフォアボールの出塁を許し、さらなるピンチを迎えてしまう。しかし8番織原選手をファーストフライに打ち取りこの回を無失点に抑える。

均衡破る会心の一撃 義塾満塁弾で先制

ゼロ行進のまま迎えた6回表、義塾の攻撃。2番の瀬尾翼選手(理4)が1アウトからレフト前ヒットで出塁すると、続く3番柳町達選手(商2)がフォアボール、4番岩見雅紀選手(総4)がフィルダースチョイスで出塁する。5番郡司選手はキャッチャーフライに倒れるも、チャンスは続き二死満塁。ここで6番清水翔選手がライトスタンドに先制の満塁ホームランを叩き込み、会場は大歓声に包まれる。

待望の先制満塁弾を放つ清水翔選手 待望の先制満塁弾を放つ清水翔選手

束の間のリード 先制直後の落とし穴

7回表、早稲田の3番佐藤晋選手に初球からレフトライナーを打たれ、本塁打を許してしまった義塾。その後続いた4番加藤選手、5番宇都口選手をフォアボールで進塁させてしまい、流れを奪われていく。6番長谷川選手のピッチャーゴロを三塁に送球し、走者の加藤選手を1アウトに打ち取るが、以前走者は2人のまま。ここで打席に立った7番岸本選手にもフォアボールで進塁を許し、二死満塁という早稲田にとって絶好の機会を作り出してしまう。そして8番打者に代打で立った熊田選手の走者一掃のセンター前ヒットで、早稲田がさらに3点を返す。

7回表に逆転しハイタッチする早稲田ナイン 7回表に逆転しハイタッチする早稲田ナイン

早稲田側が観客とチームともに最高潮の雰囲気になり、押されてしまう義塾。続く9番打者に代打の三倉選手が立ち、ショートにゴロを転がすが、フィルダースチョイスでアウトに打ち取ることができない。1番打者をセカンドゴロでやっと二死に追い込むが、一塁までの送球の間に3塁まで進んでいた走者にバックホームを許し、1点を追加されてリードを許す。その後、2番打者のショートゴロで打ち取り、3アウト。最終的に早稲田はこの回で5点を取り、先制したのも束の間、義塾は逆転を許す形となる。

取られても取り返す 2度目の満塁弾で大逆転

6回裏の待望の先制点から一転、7回表に早稲田の反撃にあって逆転を許した義塾だが、7回裏先頭の8番照屋塁選手(環4)がしぶとくレフト前にヒットを放つ。その後9番高橋亮吾選手(総2)が送りバントを決めて一死二塁の好機をつくる。ここで続く1、2番の天野康大選手(環4)、瀬尾選手が連続でフォアボールを選んで、6回裏と同じ一死満塁の絶好機を再びつくる。そこで迎える打者は六大学リーグ通算打率が3割を超える3番柳町選手。早稲田の早川投手の一球目、柳町選手が振り抜いた打球はライトスタンドへ一直線に吸い込まれていく。取られても取り返す。負けられない陸の王者「慶應」が意地を見せる。後続を打ち取られるも、本日2本目の満塁弾でこの回W5-8Kと再び逆転に成功する。

勝利を信じて諦めない義塾 勝利を信じて諦めない義塾

劇的な逆転の後、高橋亮投手は8回、9回を三者凡退に抑える完璧の投球。再び逆転を許すことはなく、早稲田の反撃ムードを完全に沈めてゲームセット。絶対に負けられない早慶戦初戦はW5-8Kで義塾が勝利を収めた。

あす勝てば優勝! ぜひとも現地で義塾の力に

優勝のためには2連勝が必須であった義塾。緊張の初戦は、一度は逆転を許しながらも再び満塁弾を放ち、見事な再逆転で勝利を飾ることができた。あす28日(日)13:00より明治神宮球場で行われる早慶戦第2試合に勝利すれば、義塾は春季リーグを優勝で終えることができる。きょうの勢いのままに、あすの勝利にも大きな期待が掛かる。

逆転し笑顔でホームインする義塾ナイン 逆転し笑顔でホームインする義塾ナイン

あすもSFC CLIP編集部ではTwitter(@sfcclip)での試合実況および速報記事の配信を行う。ぜひとも塾生一同、球場に足を運んで声援を送り、義塾優勝の力になろう。

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