このページでは、14学則と呼ばれる新カリキュラムのコンセプト、または特徴とされている事柄に関するアンケートの結果をまとめる。

両学部の差は必要!? 環境・総合の必修条件の同一化について

「14学則から環境情報学部と総合政策学部の必修条件が同じになりました。このことに対して意見、思いなどがあれば、自由にお書きください。」と質問した結果、以下のような回答が得られた。

よせられた意見(抜粋)

Good

  • 環境と総合の垣根がなくなったのだとしたら、それは良いことだと思う。まるで「理系」「文系」の壁を残し続けているようで、ナンセンスだなと感じていました。
  • 環境総合の違いがなくなることによって、個人の自由度が広がったから。
  • 環境も総合も取れる授業は全て同じなので、必修だけ分ける必要も無いだろう。むしろ、必修条件が同じ方が履修授業の幅が広がり私は良いと考える。

Bad

  • 学部の垣根、差が無くなる事には違和感を感じる
  • 環境と総合の必修条件が同じなら、理系が得意で入ってきた環境と文系科目が得意で入ってきた総合に分けて受験する意味がないと思う。
  • 苦手科目や、将来のために何を集中的に学びたいか考えて学部選択をしているので必修条件が同じことに対してとても不満です。
  • 総環それぞれ違う入試や志望動機で入学しているのに、全く同じにされるのは腑に落ちない
  • 違いがなくなって、外部からどう違うのかと聞かれた時に困る。環境政策学部にでもなればいいのではないか。

編集部によるまとめ

賛成意見としては、「文系」と「理系」の垣根を超えた学びを目指しているSFCにとって、総合と環境の必修が同じになるのは逆にのぞましいのではないかという意見や、履修できる授業の幅も広がるのではないかという意見がみられた。
 しかし、学部の垣根を無くすことに違和感を感じている生徒も多く、学部によって入試科目が違うのに入学したら同じであることや学部名だけでは「なにを勉強しているか」がより分からなくなってしまうことに関する反発もあるようだ。

アスペクトの導入 半数以上が「活用していない」

「今年度から、生徒が自分に合った研究会を見つけるための『アスペクト』が導入されました。あなたはこの『アスペクト』を活用していますか?  活用している方はどのように活用した・しているかお答えください。」という質問にたいしては、9%が「活用している」、8%が「やや活用している」、21%が「あまり活用していない」、22%が「不満」と回答、残り62%は「活用していない」と回答した。

よせられた意見(抜粋)

Good

  • 各学期が始まる前に、興味関心のあるアスペクトから面白そうな授業を見つけ出している。
  • 膨大な授業/先生の中から、自分に合うものを見つけ易くなった。SFCの地図のようで、とても良いと思う。

Bad

  • 正直見にくいです。その代わりに1年に1度、各研究会の情報が載った冊子等を学事などに置いて欲しいです。
  • しらなかった。活用方法が分からない。

編集部によるまとめ

アスペクトを有効活用している生徒も一定数いるようだが、大半の生徒はアスペクトを活用できていない、もしくは存在を認知していないようだ。また、せっかく「生徒が自分に合った研究会」を見つけられるように工夫をするのであれば、アスペクトではなく、より分かりやすい媒体を作ることもできるのではないかという意見もみられた。
 

多くの生徒がクラスに肯定的!? 「クラス」について

「14学則では、『クラスを中心とした仲間づくりや可能性の発見』を重視するのを目標としています。あなたは『クラス』が重視されていると感じますか? 理由と共にお答えください。」という質問にたいして、18%が「重視されている」、19%が「やや重視されている」、26%が「あまり重視されていない」、残り37%が「重視されていない」と回答した。

よせられた意見(抜粋)

Good

  • 実際にクラスがなければ得難い人脈を得られたから。
  • クラスがある事で入学してからの友達作りにあまり困らなかったから。また、4月の時点で仲間ができたので心強かった。
  • 言語ごとでのクラス分けは言語を学ぶ上でのモチベーションに繋がったため、言語クラスという枠組みでは役に立った。

Bad

  • クラスの人は体育1と情報基礎1でしか同じにならないため、コミュニケーションの場が少ない。
  • 少なくとも私のクラスは割と仲が悪かったので、体育以外で口をきくことも無かった。また、情報基礎は別クラスに登録している人が一定数おり、言語クラスは第二外国語とプロジェクト英語履修者で分かれていたため、体育以外でクラス全員が集合する機会も無かった。そのためクラスに対する愛着はほとんどない。
  • たかだか半年の付き合いに過ぎないクラスで「仲良くしよう」というのは無理な相談であり、不要なシステムだと思う。1年生の春学期に数コマ授業が同じだけで重視しているとは言えないと思う。
  • メンターとの連携が取れていなかった。

編集部によるまとめ

実際にクラスを通して、仲間や友人を得ることができたという人や、入学初期の不安な時期に「クラス」という枠組みがあったことは助けになったという回答が多くみられた。また、言語等の学習においては、クラス等のまとまりがあることでモチベーションを維持できるいう側面があるようだ。
 一方、クラス単位で受ける授業の少なさと期間の短さから、「クラス重視」といえる状況ではなく、全体的に中途半端な制度なのではないかという意見も少なからず見られた。

「07学則と比べ、14学則ではクラス単位で受ける授業が増えました。あなたはクラス単位の授業をより増やすべきだと思いますか? 理由と共にお答えください。」という質問にたいしては、39%が「増やすべきである」、48%が「現状のままでよい」、残り14%が「減らすべきである」と回答した。

よせられた意見(抜粋)

増やすべきである

  • データサイエンスなどの一般的な基礎的教養を学校側が我々に求めるなら、もっとクラスごとに必修を増やしてもいいのではないかと思う。しかし、これをしたら普通の大学との違いがさらに無くなるのでそれがいいのかどうかはわからない。
  • クラスでの結束などは週2-3程度の集まりでは生まれないから。
  • 秋学期もクラス単位の授業があってもいいのではないかと思います。やはり授業がないので、秋学期になってからあまり話さなくなったクラスメイトも少なくありません。
  • クラスとの関わりが増えれば、固定した友達も増える。

現状維持

  • 友達を作るきっかけにはなるが、大学になってまでクラスを重視する必要はないと思うから。
  • 現状が適当かなとおもいます。クラス単位の授業は楽しいですが、あまり増やしてもSFCの良さが消えてしまうと思うので。クラスで縛ってこれ以上履修を組みにくくなるのには耐えられない。クラスを中心とした仲間作りをするには今の授業数では足りない気もするが、それよりも他の授業との兼ね合いを考えるべきだと思う。
  • 現状で減らすほど多いとは思わないが、これ以上増やしクラスに縛られるような制度に近づけても、履修の自由度が大きな特徴のひとつであるSFCには合わないと感じるから。

減らすべきである

  • 高校じゃあるまいし大学では個人で自分のやりたいことをやるべきだと思う。個人行動ができる人間になるべきだと思う。
  • そもそもクラス授業は履修できる範囲を狭めるものでしかない。仲間づくりは、授業のグルワやサークルを中心とすればよいと思う。
  • 人付き合いがめんどくさい。
  • 様々なジャンルの授業を学年に囚われず受講できるのがメリットのSFCにおいて、必修授業を増やして履修の幅を狭めてしまうのは良くないことだと考えるためだ。実際のところ、1年春学期はそのせいで随分履修科目が制限された。
  • クラスのつながりに依存してしまうと、各人の授業履修の自由度が低下すると思う

編集部によるまとめ

全体的に「増やすべきである」「現状のままでよい」の割合が多く、クラス制度にたいしては好意的な人が多い。クラスがあることによる「仲間づくり」を重視するか、SFCの特徴である履修の自由度のどちらを重視するかによって意見が分かれるようだ。

14学則への意見・思い

本アンケートの最後に「14学則に対する意見・思いなどがあれば、ご自由にお書きください。」という質問をした結果、以下のような意見がよせられた。
肯定的な意見

  • データサイエンスの1→2の流れや総合と環境の履修条件同一化など、いくつか合理的な改善もなされているので、今後より良い学則変更を行っていって欲しい。
  • 確かに07に比べればきつくなったが、それでも他大学と比べたら自由にとれる方だし、このくらいの必修なら普通にやっていればとれるだろう。逆にそれがとれない人はきちんと今まで足りなかった分を取り戻す努力をすべきだと思う。
  • 必修条件の変革で学部の垣根が無くなったことに関しては様々な意見があると思うが、私は両学部が互いの良い部分を活用し合えると思うので、基本的には賛成だ。ただ始まったばかりで制度を中途で変更することが多々見られたのでその点は改善していって欲しい。
  • 否定的な意見
    • なんでも自分が好きなことを自分が体系を作って学べるのがsfcの強みのはずが、数学やプログラミングが邪魔をして、本来学びたいことに徹して学べないでいる。
    • 数学、情報の授業を必須にするべきではない。私は数学、情報を勉強するためにSFCに入学した訳ではないし、勉強したい人/必要な人が履修すれば良いと思う。
    • SFCの良いところは、自由。他大学に比べたら必修授業は少ないし、そこが好きだった。入学後がっかりしている。
  • 言語がかなり厳しくなったと感じる。言語のお陰で取れなくなってしまった講義もあったし、そもそも多様な人材が多様な学びをするのが売りのSFCにおいて、強制的に言語を学ばせるのは固有性を失うどころか勉学の意欲を低下させる。あまり良い制度ではないと思う。
  • 語学等必修に選抜を設けるのはよくないとおもう。初めに希望を取り、それ以外で取りたい言語があれば、それは別に開講してもいいかなと思う。
  • その他
    • プログラミング系の本当の基礎科目をふやしてほしい(基礎とうたっているのに基礎はできていることが前提の科目が多すぎる)
    • 14学期制の導入によって、2学年からのバイオキャンプ参加が困難になってしまった。必修科目の変化に伴ってTTCK開講科目にも何らかの対応を施してほしい。
    • 改善するべきところは目を向けて欲しいとも思うし、逆に学生側も働きかける姿勢が必要なのだろうと思う。学生それぞれが個人研究に没頭するにあたっての足かせになるような制度は見直してもらいたいと思う。留学制度との連携ももっと考えてもらいたい。
    • 1年目故、教授陣にその理念が浸透していないこともあると思うが、既に問題点も優れた点もいくつか見えてきている。特に私は、①DSの改善と②クラス制度の見直しを早急に行うべきだと考える。 ①については、DS基礎の内容拡充&テストとの相関性向上を。②については、情報基礎1のクラス制を解除し、2と同じく好きなコマに入れられるシステムに変えることや、担任制の見直し、体育クラスや言語クラスの振り分け方変更を行うべきだと考える。

    編集部によるまとめ

     14学則から必修が多くなったとはいえ、他大学に比べたら自由度は高いため、現状のカリキュラムが妥当だろうという意見がある一方で、それら必修のせいで自身が勉強したい事柄に専念できないことを訴える声も多く見られた。また、鶴岡タウンキャンパス(TTCK)でのバイオキャンプへの参加や留学制度等との整合性が取れていないのではないかという意見もあった。