9月25日、辻堂U-PortのオフィスにてNERV(ネルフ)の起業家育成講座、第1期生の卒業を記念する修了式が行われました。今回は3名の修了生に講座での学びの振り返りと、今後についてお話を伺いました。また、第2期生の募集は10月29日から開始されます。

起業家育成講座を修了した3名にインタビュー!

—— 半年間の起業家育成講座の受講、お疲れさまでした。初めに、本講座を通してご自身のなかで大きく変化を感じた点はありましたか?

村上: この短期間で10組近い起業家の方にお会いできたので、「起業」が身近に感じられたことが大きかったです。以前は「起業」について結構距離がある話だと感じていたのですが、さまざまな起業家のお話のなかで「思い立ってから1年で起業した」など、ある種、生々しい情報を聞けたことも面白かったです。

起業家育成講座を振り返る村上さん 起業家育成講座を振り返る村上さん

—— 今回の講座では、ほかの起業家の方々の話をお聞きする形式が多かったのですか。

村上: はい。自分達で取材先を選んで、そこから話を聞きに行くという流れだったので、講座というよりは自発的に考え、自由に行動しながら学びとっていく形でした。むしろ、そういったことを考える上でのベースとなるものを、月2回ここに集まって話し合いながら理論を実践と結びつけていたので面白かったです。

—— まさに理論と実践の融合ができていたのですね。松本さんはいかがですか。

松本: そうですね。村上さんもおっしゃったように、講座でのインタビューを通じて、それぞれが起業に至るストーリーや、ひとりの人間としての生き様などお伺いするなかで学ぶことがありました。また、学んだだけではなく、今回発表される雑誌としてのまとめであったり、自分自身のヴァイオリニストとしての活動に役に立つものでもありました。いろいろなコラボレーションが今まさに始まろうとしているところです。

インタビューを受ける松本さん インタビューを受ける松本さん

—— もう既に、かなり具体的に行動に移している段階なのですね。それでは水戸さんもお願いします。

水戸: 講座のビフォーアフターで一番変わったこととしては、自分と向き合うことを増やせたところです。自分自身、「水戸こうすけとはこういう人間なんだ」ということは、今まで20年間生きてきてあまり考えたことがなかったのですが、自分でビジネスモデルを作るとなった時に自分のことを理解していないとなかなか作れないことを実感しました。
業界インタビューを通じてどの起業家に伺っても、皆さんご自身の思いが明確だったり、自己理解をしっかりされているなと気づいたので、そこが講座の前と後で変化したところかなと感じています。

留学先のアメリカから取材に応える水戸さん 留学先のアメリカから取材に応える水戸さん

—— なるほど、自分の軸をより意識できるようになったということですね。

水戸: そうですね。自分は何をするのが一番好きなんだろうとか。じゃあその好きなことをビジネスにするにはどうしたらいいんだろうとか、そういったことを日々考えるようになったと思います。

—— ありがとうございます。皆さんのお話から学びをたくさん得られたポジティブな様子が伝わってきました。今回の講座を通して自分のなかで最も大きかった学びは何でしたか。

村上: すごくシンプルに、行動してみたりするとか、人に話してみたりする。何か思ってるだけではダメだと。端的に言うと、アウトプットすることの大切さを感じたことです。自分ももっとアウトプットしなきゃ、という姿勢は大きな学びだと思っています。

—— アウトプットするところまで到達するのはハードルが高いと感じてしまう人が多いと思いますが、そこはどうやって乗り越えていけばいいと思いますか。

村上: それは皆さんもそうだと思いますが、はじめから大きく全部やろうとすると大変だと思います。この部分だけ、など時間を切っていつまでに何をやる、と分解していったものを積み重ねて大きくするのが起業家さんたち中で一番多かった話だと感じ取りました。本当に身近なところから始めている方が多いからこそ、バクっと「起業」という大変なものと捉えずに、手触り感のあるものに落とし込んで、時間を切ってひとつずつクリアする。細かく分けて制限軸を付けていくことが大切なのだと感じました。

—— ありがとうございます。松本さんはいかがですか。

松本: そうですね。最も大きかった学びは行動するということです。今回は起業家さんに直接お会いしてインタビューさせていただける、とても恵まれた機会でした。私と起業家の間を繋いでくださる方がいらっしゃったので、そのコネクションやネットワークが大事ということを実感しました。

—— 人との繋がりを大事にしながら行動していくという姿勢ですね。最後に水戸さんもお願いします。

水戸: 先ほどの話と少しかぶってしまうのですが、起業する時は「思い」が大事なんだなと、そこが大切な学びになりました。
この講座に入る前は、「起業」というといかに世間の人に喜んでもらえるような良いプロダクトを作れるか、そういう人が成功するのだと思っていましたが、実際は違っていて、プロダクトはあくまで手段でしかなかった。大事なのはそのプロダクトを通してどういう未来を描いているのかというところ。プロダクトがWHATだとしたらWHYを、つまりなぜそれを自分がやらなければいけないのか、なぜそれをやりたいのか、という部分が起業の際には一番大事なのだと。結局はそのWHYをきちんと持っていると周りの共感を得られたりして結果成功できるいうことが一番の大きな学びとなりました。

—— 自分の内面と向き合う大切さについて、具体的にどういうところで感じられたとか印象に残ってる場面などありましたら教えていただきたいです。

水戸:伝わるプレゼンテーションを作るという「コネクト」という講義が印象的でした。僕の場合は、なぜ僕が起業したいのかと、僕にとって起業とは何だろうというところを自分のビジネスモデルを発表する前に入れることで、周りの共感を得られるよっていうプレゼンテーションを作りました。

—— ありがとうございます。現在、水戸さんはアメリカに留学中ですが、自分の軸がしっかりしていることで、外部の環境がいかに変化しても自分を見失わずに生きていけるのかなとお話を伺っていて思いました。

水戸:そうですね。自分と向き合って、自問自答を何度も繰り返していくうちに自分をきちんと理解できて、それが自分の思いやWHYに繋がっていくというところを実感しました。

—— それでは最後に、本講座での学びをどのように活用していきたいと考えていますか? アクションプランをお聞かせください。

村上: そうですね、もともと友人たちとやっていることがあるのですが、今回このNERVの活動を通じていろいろな起業家さんに会うことで得た学びをその仲間たちに還元してみたいと思いながら活動してきました。その流れでビジネスコンテストに出すなど、ネクストアクションに繋げていけたらなと考えています。

起業家育成講座の修了証を受け取る村上さん 起業家育成講座の修了証を受け取る村上さん

松本: 私も、今回のNERVのインタビューで構築されたネットワークを通じて、ここ湘南エリアでの自分の演奏活動だったり、自分が関係している団体との間に活かしていきたいと思っています。

起業家育成講座の修了証を受け取る松本さん 起業家育成講座の修了証を受け取る松本さん

水戸: このNERVの講座を通して自分自身をよく理解できたと思っているので、これをどう活かすかというところかと思います。今、アメリカにいるからには現地の企業に応募したり、ありがたいことにNERVの人脈で僕のいるサンディエゴの企業と繋がっている方もいらっしゃる。そういう人たちにアクセスして実際に繋がれたらいいかなと考えています。その上で、自分の大事にしたいこと、自分の強みをどのようにその場で活かせるかを常に考えながら、それを最大限に活かせる場所を探していけたらなと思っています。

塾生3名と久野さん 塾生3名と久野さん

—— 講座を終えた皆さんのお話を伺って自分が何をしたいかという強い思いが大切だと感じました。お話ありがとうございました。卒業おめでとうございます!(拍手)

起業家育成講座 第1期のスケジュール

4月23日 開講式 

  • 久野塾長挨拶、講座説明
  • CYBERDYNE株式会社 代表取締役社長/CEO

    筑波大学 サイバニクス研究センター 研究統括/教授

    筑波大学 未来社会工学開発研究センター(F-MIRAI) センター長
    山海嘉之
    「人類の進化に向けた挑戦者たれ!」
  • 神奈川県いのち・未来戦略本部室 科学技術イノベーション担当課長
    神奈川発地域イノベーションエコシステム形成プログラム 副事業プロデューサー
    横浜国立大学 客員教授 牧野義之「公の志について」
  • ご来賓挨拶
    神奈川県 参事監(科学技術イノベーション担当) 氏原拓 
    相澤土地株式会社 相澤利春
    神奈川新聞社 読者コミュニケーション局次長兼法人営業部長 佐藤奇平
    東湘印版株式会社 代表取締役社長 石川智隆
    イル合同会社 代表 木村吉貴

5月28日 久野塾長

  • アイコンタクトの重要性
    湘南の起業家20人選定内容の共有
    起業に関する参考となるビジネス書の紹介
    湘南起業家ネットワークについて、神奈川県の起業・ベンチャー支援の取組
    懇親会

6月 塾生用名刺作成及び配布(スポンサー 東湘印版株式会社)

◉ビジネスモデルキャンバス講座 山口直(エムシースクエア代表)

ワークショップ 6月4日、6月11日、6月19日、6月26日
TED プレゼンテーション 7月16日 Shonan Mix Up(HATSU鎌倉にて)

7月23日 久野塾長

  • 前半の振り返り、後半に向けて
  • 取材先ビジネスモデル検討
  • 雑誌編集について
    取材先への質問項目検討 神奈川新聞社 経済部記者 武田晃裕 「取材は事前準備が9割」
    キャリアについて考える

◉パーソナライズシンキング(コネクト)講座 岡田華蓮(OoO代表取締役)

  • 7月24日 初回講座(リアル開催@湘南ヘルスイノベーションパーク)
  • 1ヶ月間 スマホワーク
  • 8月28日 最終成果フィードバック(リアル開催@湘南ヘルスイノベーションパーク)

8月27日 @松下政経塾 セミナールーム

  • 文章作成講座 木村文章店「伝わる文章の書き方講座」
    松下政経塾にてランチ
  • 松下政経塾セミナー参加「湘南国際フォーラム2022 地域経済のサステナビリティ〜プラットフォームとしての湘南の可能性〜」
    松下政経塾 塾生と交流
    懇親会@辻堂駅イタリアンレストラン

9月25日 久野塾長

  • 最終講座、修了式
    これまでの実績報告、今後の予定
    取材活動の共有
    キャリアプラン(今後の方向性について)
    ビジネス相談(事業計画、コラボ、共同研究可能性等)
    NERVアラムナイ組織の設置について

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